漫画『町田くんの世界』

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今日はまた、久しぶりの更新ですが、漫画を一つ紹介します!
※ネタバレあるところもあります!

安藤ゆき先生の『町田くんの世界』です。

漫画、町田くんの世界・あらすじ

高校生の町田くんは、少女漫画になりがちなイケメンではなく、眼鏡をかけた素朴で真面目な青年です。眼鏡をかけていて、真面目だからといって、すごく勉強ができるわけでもなく、他に運動神経がよいというモテる取柄を持っているわけではありません。でも、町田くんは周りの人を引き付ける、人たらしなのです。

町田君ってこんな人

町田くんは6人兄弟の一番上のお兄さんで、とても家族思いで、あたたかく、優しいです。そればかりか、町田くんは出会うすべての人に礼儀正しくて、とても優しいのです。
誰かが自転車置き場で自転車をドミノ倒ししてしまったら、率先して手伝うし、自分が急いでいても、お腹が痛くてうずくまっている子どもがいたら助けます。老若男女に優しいのです。差別やいじめなんてしません。それが自然にできる町田くんは、作品でも描かれていますが、人を愛し、愛されているのです。


物語は、高校生の町田くんの日常と、町田くんの家族の日常を軸にして一話完結でほのぼのと展開していきます。日常のほかに、もちろん、恋愛も出てきます。

町田くんの世界のヒロイン・猪原さん

ヒロインの猪原さんは中学時代にいじめにられた影響で、高校に入ってからも他人と距離を置いた生活をしており、両親も家を留守にすることが多く、家族の愛というものがよくわからない人物として登場します。二人は同じクラスなのですが、ケガをした町田くんの手当てをたまたま保健室で授業をさぼっていた猪原さんがするという出会い。
1巻当初は猪原さんが少々尖った人物として登場しますが、町田くんの人たらし力によって、変わっていきます。猪原さん自身も自身のことを町田チルドレンと称したりしているほどに、町田くんによって変わっていきます。そして、当然のごとく次第に猪原さんは町田くんに惹かれていくのですが、当の町田くんは恋愛関係には疎く、猪原さんの思いもなかなか伝わりません。猪原さんもかなりヤキモキするのですが、そこは町田くんらしく、ただの鈍感というわけではなく、ゆっくりと恋愛が成立していくのです。7巻でのその過程は一種の清々しさを感じるほどです。7巻最後で町田くんが猪原さんに言うセリフは、本当に町田くんらしいというか、自然にそんなことを言われたら、本当に嬉しくて、猪原さんみたいに誰もが赤くなると思います。

こんなところも見てみて

物語の構成もよく練られていて、猪原さんの下の名前は明かされていなかったのですが、7巻目で猪原さんが町田家に彼女として招待されたときに初めて明かされます。猪原さんの下の名前と関連して、町田くんのお母さんが「我が家の7番目の子どもね」と言うところで、今まで明かされていなかった理由がわかりました。

魅力的な登場人物がたくさん
登場する他の登場人物たちも、過去に闇を持っていたりするけれど基本的にいい人たちばかり。町田くんと出会って、みんなほんわかしてきます。町田くんの幼稚園時代の先生やご近所に住む老人、魔女と呼ばれるほど荒れた生活をしていた元画家や、中学時代は人気者だった友人など、さまさまな悩みを持った人が一話ごとに現れ、町田くんがその悩みを穏やかに解決してくれる。
物語の流れにカタルシスを感じるほどです。町田くんはまるで、周りの人の悩みを和やかに解決してくれる砂漠にあるオアシスのような人です。


恋愛漫画のようなドキドキ、キュンキュン、ハラハラ感はないけれど、物語のテンポがよく、読んでいて癒されます。そして、町田くんの人たらし力によって、読者自身が町田チルドレンになると思います。だから、町田くんというひとが気になって仕方なくて、次も読みたくなるのです。


こころがお疲れの方々へ、癒し漫画としてお薦めしたい作品です。